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研究紹介

自然界のいろいろな波動現象を,偏微分方程式を用いて数学的に解析しています.自然現象は複雑すぎるので,それらを単純化した数理モデルがいろいろとありますが,最も単純化した1次元的モデル(波形の解析と考えれば良い)を研究しています.

(1) 線形波と非線形波

wave-travelling.jpg
   [図1:線形波]
wave-breaking.jpg
   [図2:非線形波]

時刻latex math imageにおける波形を latex math imageとおくと,速度latex math imageで伝播する線形波は,図1 のように latex math imageと表せます.このlatex math imageは偏微分方程式
   latex math image,  latex math image:  初期条件.
をみたします.とくに,傾きがlatex math imageの直線に沿って,latex math imageの値は一定であることが分かります.

非線形波では,波の速度が波の振幅により変化します.偏微分方程式で表すと
   latex math image
のようになります.ここでも,特性曲線:latex math imageをみたす曲線に沿って,latex math imageの値は一定であることが分かります.このことより,特性曲線はやはり直線となります.とくに,図2 のように振幅が大きいほど速度が大きくなる場合(latex math image)は,波が砕ける現象が起ります.砕けた後,波形は複雑に変化しますが,私の研究では,波形を衝撃波(不連続な関数)としてモデル化します.その手法が可能なのは,latex math imageである場合で
   latex math image
の形の偏微分方程式を保存則と言います.因に,偏微分方程式の不連続な解は,有界集合の外では恒等的にlatex math imageであるような,すべてのlatex math image関数latex math imageについて,等式:
latex math image
が成立するものとして定義されます.

(2) バーガース方程式

このような,非線形波のモデルの中でいちばん典型的なものが,バーガース方程式
latex math imageです.下の図3 は,簡単な初期値について,衝撃波が発生したあとは N-波に漸近的に近づくことを示しています.また,図4 は,ジェット戦闘機がおこす衝撃波の様子です.
wave-n-xt.jpg
   [図3:N-波]
wave-fighter.jpg
   [図4:実際の衝撃波(概念図)]

(3) 研究課題

現在,次の2つの方程式系について,種々の数学的な性質を研究しています.

a. 気体の運動方程式  latex math image:速度,latex math image:比体積, latex math image:圧力,latex math image:内部エネルギー
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b. 油層中の3相流体の運動方程式  latex math image
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